HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「真摯さとはなにか?」: ドラッカーの言葉と甲子園 ぬきがき その4 

友人のおかげでようやく「もしドラ」の甲子園広告の画像が手に入った。

友人に深く感謝。この友人は甲子園からの帰りに「もしドラ」を買って読んでくれた。彼もトップマネジメントの一員であるので、この本の大切さがよく伝わったのだろう。

地元の高校の活躍を十分に評価した上で、彼らの活躍を「実力の10倍の力を出し切って戦った」と評した人がいた。ドラッカーが「準備されていなくてはならない」と強く語る言葉が実感される。いつイノベーションの成果が現れ、どのマーケティングプランが爆発的な成功をもたらすかわからない。否、一度や二度の商品のヒットはドラッカーは成功とはいわない。イノベーションを計画的に行え、軌道に乗せられる組織とトップマネジメントが作れてはじめて「成功」なのだと言う。

私はほんとうに地元高校の野球部に感動をありがとう!と声を大きくして祝福したい。しかし、組織としては甲子園にいくまでの準備はできていても、優勝するところまでの準備はできていなかったがために、実力の10倍を出しても優勝には手が届かなかったのだと思う。

今日の優勝校の興南高校の監督のインタビューで春夏制覇に向けて「二時間半、沖縄県民と私たちのこころはまったくひとつだった」という意味の発言をされていた。ここがほんとうに大切なところだと思う。自分のふるさとのすべての人が応援してくれていることほど、自分たちの活動に意味を深く強く与えてくれることはない。県民も、学校も、部員も、すべての準備は今日の日のためにあったのだろう。

あらためて、ドラッカーの言葉がしみる。

マネジャーの資質

人を管理する能力、議長役や面接の能力は学ぶことができる。管理体制、昇進制度、報奨制度を通じて人材開発に有効な方策を講ずることもできる。だがそれだけでは十分ではない。根本的な資質が必要である。真摯さである。

(中略)

マネジャーの仕事は、体系的な分析の対象となる。マネジャーにできなければならないことは、そのほとんどが教わらなくとも学ぶことができる。しかし、学ぶことのできない資質、後天的に獲得することのできない資質、始めから身につけていなければならない資質が、一つだけある。才能ではない。真摯さである。

私には私にしかできない私自身の使命がある。地元野球部に負けないように、全力を出し切ってこの使命に望みたいとただただ望むばかりだ。