HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

組織の構成人数と生産性向上

人が組織を作るのは、一人より二人、二人より三人の方が一人当たり生産性を向上できると期待するからにほかならない。組織を作っても、一人一人がまったく独立して仕事をしているなら意味はない。仮に50人の組織の総生産性を考えてみよう。

1人(の生産性) + 1人 + 1人 + ・・・・ + 1人 = 50人分の生産性

これでは、無理して組織を作る意味がないということになる。独立した方が人間関係もややこしくない。50人もいれば、敵も出来るし、ライバルもいる。案外人間関係はややこしい。

では、組織の余剰の効果があり、組織を組むことで、ひとり3%ずつ生産性があがるとしよう。ただし、ここでいう生産性向上とは、他のみんなの生産性をあげることをいう。ひとりでやる場合は、経理から、営業から、仕入れから、みなひとりでやらなければならない。特殊な資格やタレント、名声で生産性をあげられる場合を除いて、一人のときの生産性は低い。逆に、経理業務だけを専門でやってくれる人は、他の人の生産性を劇的に向上してあげることができると言える。このように専門特化することができれば、一人の生産性向上は他のすべての人に波及する。

同様に50人の組織で考えてみよう。

一人当たり基本生産性 × 1.03 × 1.03 × 1.03 ・・・・ = 50 × 4.38 = 219人分の生産性

たかだが、3%生産性があがることで、50人の組織であれば4倍以上の生産性をあげることができることになる。また、総生産額から考えても、これぐらいは生産性が向上しているように感じられる。

実際、一人当たりの生産性を組織の人数を変えていろいろいじってみると面白い。


仮にここでの数字の単位を百万円と考えると、50人くらいの会社で数億、300人程度の会社で十億単位、1000人単位で百億単位の計上利益を出している会社は存在する(5−2)。しかし、1000人の会社で兆単位の利益がでることは考えずらい。してみると、一人が全員の生産性を向上させる乗数効果が50人程度以上しか働かないと考える方が現実的だ。150人以上のケースで、0.6%の乗数効果でも非現実的だ。

ちなみに、5−2と6−2を比べればわかるが、このクラスの組織になると人件費率は極端に小さくなり、平均所得が5百万でも、10百万でも経常利益に対する比率はごくごく小さい。そこそこの組織の方が所得を得やすい理由ともなる。

現実的には、一人の組織よりも50人程度で数パーセントの乗数効果が発揮された組織形態が、3つあるまるのか、20あつまるのかということではないだろうか。この観点からも、やはりまとまりをもった組織は50人程度がよいということになる。50人で数億の経常利益ということは、150人から300人で十数億程度、1000人で数十億ということになり、想定される現実の会社組織の経常利益額と一致する。

やはり、この意味からもローマ以来の軍隊組織論は正しい。

組織行動論や社会心理学の上で、仲間意識を持てる上限の人数というのがある。大雑把な意味での家族、軍隊での小隊、会社での課の人数は、7人前後だ。論拠は出さないが、Twitterでごくごく親しくやりとりをしている人数は、7人より多いことは少ないのではないか?次の上限が50人。これは、ちょっとした親族の集まりや部族社会、軍隊の中隊、会社の部や本部の人数だといわれている。そして、その上の上限である150人がなんらかの帰属意識を共有出来る限界だといわれている。これは、ちょっとした村、軍隊の大隊、ひとつの帰属意識をamoteru のごく親しい友人、50人くらいの背景まで知るクラスメール、150人の同族意識の共有となっているのでは。

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今日は、一旦寝てしまった。目が覚めて以上を書いた。では、二度寝に入るろう。