HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

レイヤード : 多層的現実への入り口

今日は、ハッピープロジェクトの勉強会で文字通り多士済々で興味深かった。id:hiroetteさんが、「つぶやき」のまとめを作ってくださっている。

お金をめぐるさまざまな側面について議論ができた。斉藤先生の議論から、手形とは、相手の信頼、裏書するそれを受け取った主体への信頼によって成り立っている、「信頼通貨」であると教えていただいた。地域通貨、iWatシステムを先取りした日本の知恵であったわけだ。

なにより、メインのプレゼンテーションのディスプレイ以外に、Twitterハッシュタグタイムラインを表示していたのが、すばらしかった。

みんなの発言の中で、キーワードだなと思ったのは「二層構造」。

二層構造化された社会は、未来の仕組みだと考えていたので、既存の通貨から切り離して考えれば、正常な方向性だと思った。 #hppj

http://twitter.com/Shinya_Ooki/status/9043634717

ネット関係の仕事をしてますと、ネットは、既存の層を壊しつつ、また新たな層を作っている様に感じます。

http://twitter.com/Shinya_Ooki/status/9046268602

携帯にしろ、PCにしろ、自分ひとりでリアルとネットスフィアの重なりを感じることはあっても、これだけの人数で厚さのないプロジェクターから投影された画面を通じて、レイヤードな世界を共有したのは初めてだ。

今回の、プレゼンと「つぶやき」の二層構造は、リアルとネットスフィアが重なって存在する「電脳コイル」な世界を垣間見させてもらったように思う。


この意味で、Twitter上で教えていただいたこのブログのエントリーに非常に共鳴する。

その理由の一番が、ウェブサービスへ求めるものが現実的な日常の便利で楽しいツールへと変容しつつあるためだ。ウェブ上のグローバルなシームレスではなく、ウェブと日常とのシームレスへ向かっている。そのために今まで放置されていた、知財権やプライバシー、そして貨幣交換について、実社会の規範、法制度と折り合いをつけていく作業が必要になる。

ウェブでは「フリー」が基本であるというのは本当か - 考える名無しさんのブログ

そのほか、ベーシックインカム負の所得税の問題とか、子どもを生めなくなってからの時間の問題、あるいは、貨幣と権力とブラックスワンの問題など、書きたいことは沢山あるが、またあらためたい。