HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

新潟 一日目

夏休みの旅行で、新潟に家族で行くことにした。働きづめだとモチベーションを維持することが難しい。特に今日はいまのお役職就任満4年の記念日でもある。家族で楽しむことが第一のテーマだが、地元を大切にしている企業の活動を見るというのが、家族にはいわなかったが第二のテーマであった。

まず最初は八海醸造さん。

事前に連絡させていただいたときに、珍妙な会話をしてしまった。

私「八海醸造さんって古くから家族経営されているんで有名なんですよね?」

会社の方「いえ、うちは大正からなので周辺の酒造会社さんと比べると新しいですよ。」

「え、あ、失礼しました。えと、たしか品質を保つために年間の製造本数に上限を設けているんですよね?」

「いえ、そんなことないですよ。」

「...」

もう、ほんとうに顔から日が出るほど恥ずかしかった。ほんとうにすみませんでした。

実際におじゃまさせていただいて蔵のわきにあるお蕎麦屋さんで食事をさせていただいた。そばは実においしかった。私は当然飲まなかったが、家人の話では蔵元で飲む酒は最高だそうだ。お蕎麦屋さんの建物がまた古民家再生の立派な例だった。資料館の女性からもお話をうかがった。資料館は人に見せるものというより、蔵ひとつがいっぱいになるほど料理と酒の本の図書館なのだそうだ。日本酒にとどまらず、ワインから男の手料理まで実に多彩な本を収集されていらっしゃる。八海醸造の社長さん自身が、酒は料理との組み合わせなのだと気づかれたので、こうなっただという。以前、酒蔵の仕事をさせていただいたときに、酒を飲み歩いた。飲み歩いて、どういう料理と一緒に飲むかでお酒もずいぶん印象が違うのだと知った。また、燗酒は「愛だ」というくらい、微妙なものだとも知った。そんなことは当然、社長さんはご存じなのだろう。

新潟の南魚沼や、十日町を走っていると、稲がじつにお行儀がよいのに気づく。これならおいしいお酒ができるなという様子をしていた。


続いて十日町から「トリエンナーレ大地の芸術祭」に行った。これは、論より写真を見てもらったほうがいい。

トイレの中の写真。入って振り返るとこの状態。出口はどれかわかるかな?

赤とんぼが分かるかな?

このトリエンナーレも、企画されたベネッセコーポレーション福武總一郎社長の想いを随所に感じた。進研ゼミのベネッセは言うまでもなく、子どもの勉強をサポートする事業で成功された。しかし、子どもの数は、少子化と言われ、山村では小学校がどんどん廃校になっている。この廃校になった小学校を「福武ハウス」と名づけ、アジアのアートを展示されること自体がひとつのパフォーミング・アートだ。色鉛筆のアートにしろ、出展されているのは、どこか子どもや学校を思わせる作品が多い。

ともあれ、ほんとうにこのような山奥にアートを楽しみに多くの方々来るというのは素晴らしいことだ。自然のなかで子どもたちもエネルギーをもらってきたようだった。あ、もちろん私も。