HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「美貌の果実」

なんで川原泉の作品はこんなに切ないのだろうか。涙を押さえるのが大変だった。

美貌の果実 (白泉社文庫)

美貌の果実 (白泉社文庫)

この短編集には農業がモチーフに使われた作品が集められている。牛やら馬やら観葉植物と本来ロマンスとは対極にあるような「田園の香水」のような背景で、リアルな人間模様と切ない人の想いが描かれている。

「相手を支配しようとするのは愛ではない」とどこかで読んだ。相手を支配しない愛が川原泉にはあるのだろう。

ちなみに表題の「美貌の果実」だがたしかに最近の日本のワインはおいしい。先日、「フェルミエ」さんのワインをいただいた。山梨ではなく新潟のワイナリーだ。フェルミエさんのどのワインも、フランスものと比べてひけをとらないおいしさだった。

■あれ?

一応、「美貌の果実」は昔すくなくとも手に取っていたらしい。

もひとつ思い出した。「支配しない愛」はここで読ませていただいた。