HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

世界の人口とS字カーブ

いつのまにか世界人口が67億人にも達したのだねという話になった。

調べてみると、たしかに人口爆発とはこういうことだとわかる。


1950年から2050年のデータだけを切り出すともうすこし違って見える。

我田引水かもしれないが、これはS字カーブになるのではないだろうか?S字カーブとは、シグモイド関数のことだ。シグモイド関数は、ロジスティック式での解のひとつだ。

r = 1、K = 1、t0 = 0 のとき、解はシグモイド関数になる。

ロジスティック方程式 - Wikipedia

ということで、ロジスティック式で近似できないかエクセルを使ってトライしてみた。

\frac{dN}{dt} = r (K - N) N *2

ここにいくつかのKとrの組み合わせを試してみた。wikipediaに乗っていた今後の世界人口予測が5年毎の数値なのでそれに合わせた。Kは地球に存在しうる人間の数という理解でよいのだろう。rは5年間で最大の増加率となる。Kを80億人、100億人、120億人、200億人と仮定したとき、2000年のほぼ実データまでのところで一番近似するrを選んだ。*3

  K r temp r =K*r temp r annual
Forecast 1 8,000,000,000 2.2E-11 17.60% 3.30%
Forecast 2 10,000,000,000 1.5E-11 15.00% 2.83%
Forecast 3 12,000,000,000 1.1E-11 13.20% 2.51%
Forecast 4 20,000,000,000 6E-12 12.00% 2.29%


Kを120億人、rを年率2.5%と設定したときが一番フィットした。弾さんの本に書いてあったように、これから少しは増加率が鈍化していくのだろう。

弾言 成功する人生とバランスシートの使い方

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しかし、もっと問題は地域毎に人口動態が大きく異なるということだ。


地域ごとの人口構成が大きく変わりながら、かつ人口の限界に達して鈍化がすすんだときに実際起こることが恐ろしい。

■参照

昔作った日本の人口シミュレーションに一部追記した。

恐ろしいことにniftyでは1MB以上のファイルをアップできないのでzipしてあるのでご注意。

■経済と人口

人口の限界ってシムアースとかじゃないけど、テクノロジーが進めば当然に変わる。しかし、どうも人口の増加に技術革新がおっつかなくなってきているということかもしれない。技術革新、経済の革新自体もS字カーブ、シグモイド関数にしたがうはずだ、基本的には。*4

マルクスケインズシュンペーターも、資本主義が拡大するとともに収穫は逓減し、長期停滞がやってくると予言した。

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/1194078ffe10dd43d8d8d8cc35281532

スカイクロラの世界とは、いつかくる長期停滞の世界だ。

なるほど!と膝を打った。

基本的に原油高、食糧高のトレンドはちっとも変わっていない。変わるわけないのだ。変わる要素なんて何もないのだから。

佐藤秀の徒然幻視録:山形浩生のヨタ話の笑止

■ファイルの配布

置き場所をGoogleドライブにおいてみた。

docs.google.com

*1:1950年から先はUSCBのデータを採用。それ以前は、書く予測データの中央値を採用した。

*2:この辺参照 ニッポンの生産性 - HPO機密日誌

*3:H21.3.21 AM8:19 実は追記、修正した。ロジスティック式では、Kは1で、rは時間当たりの増加率でなければならない。ということは、世界人口をKと置くと、rが1/Kされないと解がでない。Kとrの組み合わせで、修正したあrを求め、かつ複利であることから5乗根をとって年率(aanual)のrとした。

*4:技術革新のロジスティック関数のKは、論理空間の広がりになるのかな。もちょっと可能性の枝をせばめるべきなのだろうけど。ということは、公理というべき大前提が変わるときにだけ非連続的なジャンプがおこといえるのか。