HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

スカイクロラ: ポニョに負けた理由

やっぱり女心をつかめなかったこと。

主要キャラクターの一人がコールガールという時点で世の女性の3分の2の支持を失ってる。なぜなら彼女らにはすでに夫という名前でも、恋人という名前でも、奴隷という名前でも、すでに決まった男がいるからコールガールは潜在的ライバル、あるいは邪魔ものであるから。

そして世の3分の1を占める子どもたちはそうした彼女らの配下にあり、彼女らの望まないものは目にすら入らないから。

人類の残りの3分の1の男どもも押井さんの娘を軽く奪ったADのように女の歓心を買うことしか感心がない。よほどのマニアでないと主体的に見にいこうとしない。

翻ってポニョは前にも触れたように5才の男の子が女を孕ませるという物語を、人魚姫というオブラートで包んだ人類の2分の1のうちの、男を所有するそのまた3分の2の女たちを喜ばすに足る仕掛けがしこまれている。

従って人類の3分の1を占める子どもは、好むと好まざるとにかかわらず連れて行かれる。

同時にこれは駿の吾郎へ与える女の取説秘伝でもあるので、男どもも表面の穏やかさとは逆に深層で魅了されてしまう。

ほんとうに現代に必要な物語はスカイクロラであるにもかかわらず、かくして惨敗してしまう。

しかし、取り返すチャンスはある。「ナバテア」だ。ここに描かれる草薙水素は、ポニョに魅かれなかった女性3分の1が共感するに足る現代の女性像がある。生き残るには、もう一本押井に撮らせるしかない。

ナ・バ・テア (中公文庫)

ナ・バ・テア (中公文庫)


■追記

この方って...

2人の監督も作品も、180度違うけれど、「生きろ。大丈夫だ。」と言ってくれている気がする。

福島みずほのどきどき日記 スカイ・クロラと崖の上のポニョ

やばい...涙が出そう。

押井監督の「うる星やつらビューティフル・ドリーマー」を昨日見る。
「凡人として生きるということ」「他力本願」を読む。
失敗も挫折も人生のチャレンジのうちという話に励まされる。

福島みずほのどきどき日記 押井守監督の作品にはまっています

やばいよ、やばすぎる。支持政党変えちゃいたくなるぢゃない!


■とらばのために...

すみません、たけくまさん!

今度の『ポニョ』に至っては、そこに理屈もへったくれもなく、ただ宮崎駿が作りたいから作ったというものです。

パンダとポニョ(2): たけくまメモ