HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

某所でシンポジウムに参加中

「国民と社会のニーズ」、「合意形成」という言葉が聞けてすごくうれしい。

身分をわきまえず質問までしてしまった。でも大変興味深かった。

議論された内容について本ブログで触れるのは反則なのだが、タイトルを書くくらいは許されるだろう。参加したのは、「建築ストック時代における法制度を探るー既存不適格建築ストックの水準向上基準は如何にあるべきかー」という日本建築学会のシンポジウムだった。

いかにもマニアックなタイトルだし、プレゼンテーターな方も「マニアックだ」と自ら認めていらっしゃったのだが、この「既存不適格」の問題がマニアックなままであること自体に問題を感じる。実は、法改正がすすめばすすむほどすでに建っている建物の「既存不適格」化が進む。新築の建物と既存建物の基準の差が大きくなっていく。既存不適格になると改修や用途変更が難しくなり、最悪資産価値を失う。はたして、個人や法人の資産価値に大きく関わる法制が一般とかけ離れたところでした議論されず、最終的にはあずかり知らぬところで決められていくことに大きな疑問を感じてきたのだが、そう思っているのは私だけではないとわかった。

耐震強度については特別な法律もできたし大分救われるようになったのは事実。それでも救われない住戸がたくさんなのも事実。

建築物が満たすべき目的、性能水準についてマニアックでなく議論される日は来るのだろうか?果たして、資産価値、建築コスト、維持コスト、防災の観点、歴史的価値などから、建物はどのレベルの機能を果たさなければならないのかという合意は形成されうるのだろうか?

■参照

既存不適格建築物の水準向上基準のあり方について検証するシンポジウム。パネリストによる講演もあり、題目は国土技術政策総合研究所・五條渉氏による「構造規定の既存不適格建築物をめぐる実態と課題」、同・飯田直彦氏による「既存不適格建築物への要求性能と地方性」など。

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■そもそも

言葉が分からない人の方がおおいよね、きっと。

既存不適格(きそんふてきかく)とは、建築時には適法に建てられた建築物であって、その後、法令の改正や都市計画変更等によって不適格な部分が生じた建築物のことをいう。そのまま使用していてもただちに違法というわけではないが、増築や建替え等を行う際には、法令に適合するよう建築しなければならない(原則)。

既存不適格 - Wikipedia