HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

同じ本を読んでいるというのは純粋に喜びだ

「本で楽しいのは、食べてるシーンだよね。登場人物が食べているものってすごくおいしそう。」
「ふーん。」
「結局、そういう意味で一番好きなのは『霧の向こうの不思議な街』だな。」

霧のむこうのふしぎな町 新装版 (講談社文庫)

霧のむこうのふしぎな町 新装版 (講談社文庫)

「あれに出てくるタクアンのサンドイッチとか、館のコックさんの料理とか絶対食べたいと思った。」

「そうだね。あれに出てくる本って何冊かは実在するんでしょ。」

「だから『ネズナイカ』は読んだってば。」

ネズナイカのぼうけん (偕成社文庫 (2029))

ネズナイカのぼうけん (偕成社文庫 (2029))

ナルニアも不思議だよね、全然筋が覚えられない。何度も読んでるんだけどね。」

カスピアン王子のつのぶえ (カラー版 ナルニア国物語 2)

カスピアン王子のつのぶえ (カラー版 ナルニア国物語 2)

「『あさびらき丸』もリープチーヒ、あれ?、チープリーヒ?*1が海に飛び込んだシーンとか覚えてるんだけど、どうして世界の果てまで行かなきゃいけなかったのが思い出せないね。」

朝びらき丸 東の海へ (カラー版 ナルニア国物語 3)

朝びらき丸 東の海へ (カラー版 ナルニア国物語 3)

「ちなみにゲドは何巻目まで読んだの?」

「2巻目までだけど、繰り返し繰り返しよんだ。とても好き。あれから先を読めない。」

こわれた腕環―ゲド戦記 2

こわれた腕環―ゲド戦記 2

「もっと文学文学したのを読んでもよいんだよ。あれ、あれ、なんてたっけ?『キャッチャー・イン・ザライ』とかは?」

キャッチャー・イン・ザ・ライ

キャッチャー・イン・ザ・ライ

「あれはだめ。主人公の男の子が大人を軽蔑しすぎてる。あんなに憎しみをこめて人を見なくともいいじゃない。全然受け付けない。」

「三島とかは?」

「うーん、太宰治は読んだな。『人間失格』もよかったけど、『駈込み訴え』が暗くて好き。」

人間失格 (新潮文庫 (た-2-5))

人間失格 (新潮文庫 (た-2-5))

「なにそれ?」

「ユダの言い訳がえんえんとえんえんとただもう続くの。すっごい暗いんだけど、すっごい好き。」

(以下、略)

*1:「リーピチープ」でした。 http://tinyurl.com/377wrn