- 作者: 江川達也
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2004/03/19
- メディア: コミック
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若紫を迎えるまでの涙ぐましい努力は、決して格好のよいものではない。しかし、その誠意というは女性には好ましく映るのではないだろうか?やはり、真面目さ、誠というのは古今を問わず通じるものだ。
気になったのは、「ちぎる」という言葉。たぶん、専門の勉強をされた方だと↓のような解釈になるのだろう。
“「契る」というのは実に曖昧で得てした言葉である” と『源氏物語』研究をされている方が言っておりましたが、この言葉の説明をするには羞恥を捨てねばなりません。もともとは「固く言い交わして約束する」意味ですが、のち、転じて「夫婦の約束をする」(=婚儀に使われる)さらに俗化して「夫婦の交わりをする」となりました。今では「夫婦となる」くらいの意味になっています。今で言う「結婚する」「体を重ねる」が一番適した言葉でしょうか。行為自体ではなく、そこに意味と特別性を持たせます。広辞苑で「契りを籠む」という言い方がされています。これは、深い約束をする・夫婦の交わりをする意です。古典において「契る」という言葉が意味するものは「1 固く言い交わす。2 夫婦の約束をする。3 夫婦の交わり。」という理解で良いと思います。
『源氏物語』講座(其之弐)
江川達也さんはたとえば「ちぎりことになむこころながらおもひしられける」を「そう思うのも前世からの強い縁があったと、私の心が私に訴えかけ思い知らされたのですよ」と現代語訳している。意訳なのだろうが、この「前世からの縁」という言葉に強くこころうごかされるものを感じてしまう。
昔々、人から聞いた言葉。でも、真実なのだと改めて思う。
男と女のやりとりは結局命のやりとりなのだ - HPO:機密日誌