HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

今週の日経ビジネス

[2006.1.9 新春特大号]

なかなかおもしろい。これからの日本を考える上でとても大事な内容だと思う。私個人にとってはなかなか言質をとらせない感じではあったが、谷垣財務大臣の発言が印象的だった。

家庭の絆、地域社会の絆、それから国と国民との絆をどう回復させていくかが大きな課題になりますね。

なんつうか、日本の将来に対応しおうという大企業の姿を流通の大合併に見、高齢化社会地方自治体の破綻、そして国の財政のデフォルトまでを一気に特集している。当然、竹中さんの言葉は印象的だ。そして、国への危機感の一端をあらわしている。

なによりも建築確認行政の部分が、私個人としては一番大事な部分だ。この特集記事にあるように、確認行政をめぐっての民営化に対する監督業務、あるいは確認行政自体の複雑化する建築基準法への対応の遅さがますますクローズアップされていくだろう。

また、第二特集の「辺境の金融」というのもおもしろい。べき乗則ではないが、生成と消滅を回避しようとして生まれている停滞がいまの日本の姿なのだ。失敗、消滅がゆるされ、突然マスを獲得しうるというのも、「辺境」、周辺の種によってなせるわざだと思う。ナウシカの粘菌も、ほんの小さな変種であった。

ああ、ここまで書いてみてこの新春特大号は、ポスト小泉の姿を浮かび上がらせているのだと感じる。竹中さん、北側さん(?)、谷垣さん、あるいは阿部さんといった各大臣の手腕がまさにいま試されているわけだ。