HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

子どもをなすことと相転移の平衡状態

スケールフリー・ネットワークでは、常にノードが加わる生成モデルといえる。比較的簡単にネットワークは平衡状態になりやすいのだが、ノードが加わり続けることは転移の臨界状態に留まることだ。

砂山を例にした臨界自己組織化(self-organized_criticality)の説明を読んで、子をなす、死ぬという過程がなければあっというまに平衡状態にネットワークが達することを理解した。逆にいえば、一番最初の我々の先祖が(遺伝子の変異でたまたま)得た形質が(「種の選択」を受けながらも)つながること、生成と死滅を繰り返すことでネットワーク平衡状態(という「熱的死」)にはならない。だからこそ世界はこんなにもべき乗分布に満ちているのだ。正規分布には生物の猥雑さが感じられない。