HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

景気とはお金の加速度だろうか?

経済学はからっきしわからない。ただ、商売をやってはいるのでなんとなくお金に関する感覚はある。以下、まるっきりの検討違いかもしれないが、お金と景気の関連について書けるだけ書いてみる。

私の感覚では、景気がいいか悪いかというのは、お金が加速度をもってまわっているかどうかということにつきる。貨幣の流通量がここのところ増えているというが、私が記憶している限りM2+CD(あれ、いま使ってない指標だっけ?)がマイナスを記録したのは、91年に一度会っただけだ。それも、ほんの1、2ヶ月だったと記憶している。と、いうことは貨幣の流通している量は景気が悪かろうが、良かろうが変わっていない。敢えていえば、お金が市場を速度をもってまわっているかどうかが、景気がいいかわるいかを決める。

マクロ経済学で習った式がある。

(=G+D+。。。。)

これを図にするとこうなるらしい。

(図!)

ここを初めて意識したのは、かの有名な浅田彰の「構造と力」に出てくるクラインの壷モデルだ。

「穴をほって埋めることに、政府の金をつかっても経済成長につながる」と書いたアナリストがいた。経済の構造がごく非効率だった100年前ならいざしらず、いまの世の中で乗数が期待できず、効率のわるいお金の使い方をしていては、お金は速度をもって世の中を回っていかない。

上式の各要素で一番問題だと思っているのは、Gの項の効率性だ。右辺を足しあげたものが経済の規模で、景気とGDPの成長率に相関があるとすれば、右辺がどれだけ増えるかが問題になる。商売の用語で、回転率というのがある。

・(会計の教科書へのリンク)

私がこの社会を家計とか会社とたとえるなら、ある意味経営で一番大事な式の展開が問題になる。

回転数 × 利益率 = 売上高利益率 ??? あれ、違うな。。。

商売人の感覚だと、上式の右辺をふやすためには、回転数をあげなければならないと感じる。右辺の各要素を年間でなんかいお金がまわったかだ。

そして、名目成長がマイナスで、デフレのためインフレ率もマイナスのため実質成長率がプラスだなんておためごかしがとおるこの世の中で、お金が増えつづけているにもかかわらず経済が成長しない、景気がよくならないなんて、右辺の効率があまりに悪いからだ。しかるに、右辺の要素を順番に見る。まず、輸出入にかかわる企業は多分世界第一位の経済効率性をほこっているので、問題はない。民間セクターもリストラをくりかえし、史上最高益をだしているわけであまり問題はなさげに見える。すると、残るのは家計の支出と政府支出だ。

まわりをみても、ボーナスもらって借金の返済か、貯金にしかまわさないとすると、お金は加速度をうしなってしまう。経済学的な比較優位においてできるかぎり優位性のたかいセクターで消費をしてもらうのが、たぶん一番乗数がたかいと思う。その次が、成長性の高い企業への直接投資だろう。そのまた次が、合併、合併で効率性があがったかあがらないかわからない銀行への預金になるのではないか?借金の返済をするということは、膨らんでいて信用を解約することになるので(期限の利益とは期間の限られた貨幣に順ずる信用の創造だと思っている)、逆に貨幣の流通にとってはマイナスなのだと思う。

次に政府のセクターだ。(まあ、これは自分の首をしめることにつながりかねないのだが、書いてもいいものなのだろうか?)政府セクターからの支出というのは、主に政府とつきあいのある企業を通しての支出、公務員への給与を通して支出、わたくしには手も足もでない金融関係への支出になると思う。まず、まずさまざまな企業への支出だが、入札か随意契約で発注企業が決まるのだが、政府の入札ってあまり企業の効率性と関連性が少ない気がする。しかも、その対象が次第次第に経済的な発展につながらないものに支出されるようになってきている。多分、東海道新幹線が開通してから日本の経済に果たしたお金の流れを加速する効果は絶大な物があるだろう。しかし、近年開通した地方の新幹線にどれだけの経済効果があるかはなはだ疑問だ。経済的な効果があるかどうかを見極める方法はある意味簡単だ。その鉄道やら有料道路がペイしているかどうかをみればいい。人の役に立つ(経済的な効果のある)企業ほど利益をあげている。しかも、その代替がなければないほど高い経済効果をもつといってもいいのではないだろうか?