HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

山口さんの記事に刺激され...

山口さんの記事を読んで、案外建築確認の民間開放は進んだ事例なのだろうかと感じた。すでに民間の建築確認機関が認められて3年、だいぶ定着してきたようだ。実は、民間の方が多少費用が高いのだ。しかし、多少の事前の協議を認めてくれるし、スピードも速かったりする。

建築の関係でない方のために、簡単に建築確認についてのリンクを置いておく。

建築確認は何を確認(規制)するの?

山口さんが上げられていたリストを見て、考えてみれば官僚の方の仕事は企画と実施と分けてしかるべきなのかもしれないと思った。本来的には、官僚=行政の仕事は法律を作ることではなく、法律を実施することだ。今現在の役割になるには、歴史的な変遷などもあったのだろうが、ひとつは立法府である国会の機能が実は果たされてないといことなのでないだろうか?現在の形から、一気に実施部隊と企画部隊のような形で省庁再編というわけにはいかないのかもしれないが、外部化し、競争させる、インセンティブを受託者に与えるといったことで、効率があがる部分も多々あるように感じる。

私の職業と関係の深い建築確認も、絶対に官庁でなければできない仕事のように私自身も思い込んでいた。町並みなどを形成する規制から、建物の落とす日陰の問題、火災などの安全性の問題など、かなり公共性の高い規制事項を、民間の確認機関が行うことはこの数年ですっかり定着した。特に大きな問題は現在起こっていないように感じる。実は、かなりスムーズに民間に委託できたまれなケースなのかもしれない。

建築に関連する規制分野は、これ以外に市町村ごとの「指導要綱」というものがあったり、土地を造成したり、道を通したりするような規模の開発を規制する都市計画法にはまだ市町村なり、県なりの専轄事項として残っているが、これももしかすると規制だけ権限者がきちんと作ってやれば建築確認と同時に外部機関で許認可を与えることができるのかもしれない。法律の専門家から言えば、建築「確認」と開発行為の「許可」は違うというのかもしれないが...

そういえば、現在の日本よりはるかに大きな古代ローマ帝国を統治するのに、現在とはくらべものにならないくらいの通信や運輸インフラしかなかったにもかかわらず統治できたのは、税金の徴収までも民間に委託してしまうローマ人の柔軟さがあったからかもしれない。他方、橋や上水道などは軍隊が作るものだったらしい。三頭政治の一翼を担ったクラッススもインスラと呼ばれる当時のマンションの建設で財を成したと記憶している。