HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

アンドレ・モーロワ

「哲人ボード」: http://www.valkyrie.gr.jp/solaris/cgi-bin/tetubbs1/treebbs.cgi?vew=2140

『人生をよりよく生きる技術』 :http://www.ll.chiba-u.ac.jp/publication/culb/61/2.html

 「老いとは、もう遅すぎる 勝負は終わってしまった。舞台はすっかり次の世代に移ったという 気持ちになることである。老化に伴う一番の悪いことは 肉体が衰えることでなく、精神が無関心になることである。無関心になる自分と 戦うことは出来るし また、戦わなければいけない。生き続ける理由を持ちつづけている人は、老い込んだりしないものだ。」(「私の生活技術」)

うーん、日本には老いていない人が多すぎるように感じしまふ。ひたすら前の世代が絶え果てるのを待つしかないのだろうか?

「男にとって初恋は一生心に残るものである。もしもその恋が幸せな恋であったとき、少年の心にこの感情を芽生えさせた女性あるいは娘がその感情にこたえ、忠実を示してくれたなら、男は一生を通じて信頼とやすらぎにひたることができるだろう。もしも男がはじめて自分を投げ出し身を委ねたいと願ったとき、はねつけられ裏切られたりしたら、その傷は決して完全にふさがることはなく、心はずっと乱れたままでいるだろう。」(『未知なる女性への手紙』)

「私は冷淡な世界においても、また原罪(それはわれわれの動物的起源の別名でもある)にもかかわらず、さまざまの交際、すなわち信頼の上に築かれた友情・恋愛・家庭・国家を維持することは可能であると信じる。外部世界は無道徳である。しかし人間が自己の世界を創造し、その中で彼自身ならびに彼の尊敬する人々の恒久的な一致によって、心の平和と、自己の尊厳についての感情を彼に与えてくれるであろう掟を守ることを妨げるものは何もあるまい。」