HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

歯並び

私はなにを隠そう歯並びが悪い。小学の高学年だったか八重歯が出た時点でちゃんと歯科医に通えばよかったと反省。まあ、とにかく当時医者が嫌いだったので、自分が悪いのだと思う。まあ、一応4歳だかの時の交通事故で大腿骨骨折した時の手術の後遺症だと言い訳はしておく。

主人公と同じく、私も手術の跡が左腿にある。同じように金属で大腿骨をつなぐ手術をした。

「ことの終わり」を見る - HPO機密日誌

とにもかくにも、歯並びが悪く40になる前くらいだったかに同級生の歯医者にかかった時には「高齢になってから相当歯を失うリスクが有るぞ」と脅された。確かにどうにも歯茎の調子が悪く「りんごを噛むと血が出ませんか?」という古い古いCMを笑えない状態。

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現在使っていて割と調子いいのは、デンターではない「リベリオ」という歯磨き。歯は本当に大事。


追記

なんでこんな話をブログに書こうと思ったか思い出した。村上春樹の短編小説でたんたんと成功した男の話しがあった。十分な収入を得られる仕事、美しい妻、ほぼ問題な身体。ただ、歯だけがかなり丁寧にメンテナンスしないとだめになってしまうという話しであったように記憶していた。

ちょっと調べてみたのだが、そのままの話しが出てこない。たぶん「回転木馬のデッドヒート」に収められた「プールサイド」なのだと思う。たしか、プールのシーンが出てくる。泳いで、乾燥室に入っていて、その男に話しかけられたとかだったかと。

回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)

回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)

鏡で全身をくまなくチェックすると、若い頃に比べて筋肉のつき方、脂肪のつき方が変化している。水泳をしていた頃の体の貯金を就職して使い果たしてしまったことに愕然とする。彼は再び水泳をはじめ、虫歯の治療をし、時々体のチェックをする。背の筋肉脂肪や腹部の横の筋肉脂肪など、削るに難しい筋肉質脂肪が目につく。

プールサイド 村上春樹 - 25時間目 日々を哲学する

ウレタンの引火性

安藤ハザマの火災事故に衝撃を受けている。ツイッターでみる動画では黒煙がもうもうとたちあがり、大きな火事だと直感した。実際4名もの方が亡くなれるという近年の建築工事現場での災害としては記憶にないほどの規模となった。関係の方々に心からお悔やみを申し上げたい。

news.livedoor.com

実際には、地下での火災が大部分であったようだ。5,000平米というと、全体が1万7千平米あまりなので10%を超える。実際には火災にあわなかった部分もすす等が付着し、においが取れないなどの問題が生じている可能性がある。また、鉄骨やコンクリートは一定温度以上にさらされると所定の強度がでなくなる変性をしている可能性がある。被害総額はかなりに登るのではないだろうか?

警視庁は、出火元は地下3階で、アセチレンボンベのバーナーを用いたH形鋼の切断作業中に、何らかの原因で断熱材のウレタンに引火したとしている。現場作業員が消火に取り掛かったが、消火が間に合わず延焼した。死者のなかには地上階で作業中の人もいた。東京消防庁によると、地下2階と地下3階の計約400m2に加え、地下3階の下にある免震ピット部分の断熱材が約5000m2が燃えた。

完成目前のビルで大規模火災、免震ピットの断熱材に引火か | 日経 xTECH(クロステック)

現在、検索しても出てこないが人から聞いた話では、ウレタンの横で火花の出る作業を行うことの危険性は十分に自覚されており、消化器を持った作業員がすぐ脇にいたとも聞いた。本来竣工して上水が通り、通電していれば各種の消化設備等が動作したのだろうが、建築中だとそれもままなからなかったのだと想像する。更に憶測だが、鉄骨を切るほどの工事が行われていた段階であればせめて石膏ボード等れ断熱材は保護される部分が未施工であったのかもしれない。

建築材料自体の断熱性、消化性は十分に検証されているが、近年断熱材系統からの火災が多いように思われる。省エネの問題と防火の問題においてまだ十分に検証されていない部分なのかもしれない。日本も熱帯気候に入っていっていることを考えれば、断熱の充実はかなり緊急の課題ではある。

hpo.hatenablog.com

ウレタンの防火対策もよくよく学んでおきたい。ウレタンも種類によって難燃など防火から見た性能にいろいろ差がある。

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今後をよくよく見守りたい。

進化とはなにか?

「進化は万能である」を読めば読むほどマット・リドレーの「一般進化」とはなにか考えざるを得ない。

進化は万能である──人類・テクノロジー・宇宙の未来 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

進化は万能である──人類・テクノロジー・宇宙の未来 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

生物学上の進化の定義は数々の議論の末、現在では明確になっている。

進化とは、生物個体群の性質が、世代を経るにつれて変化する現象である[2][1]。また、その背景にある遺伝的変化を重視し、個体群内の遺伝子頻度の変化として定義されることもある[3][4]。この定義により、成長や変態のような個体の発生上の変化は進化に含まれない[1][2]。

進化 - Wikipedia

くどいようだがまとめると、以下の三点が定義の中で重要。

  1. 「生物個体群の性質」であり、「個体の発生上の変化」ではない。
  2. 本来的には「世代を経るにつれて変化する現象」であり、「進化」自体には高等になるとか、複雑になるとか、価値観、方向性を含まない。
  3. 「個体群内の遺伝子頻度の変化として定義されることもある」とあるように、形態の変化であるよりも一定の「群」の中での内在的な変化も含む。

マット・リドレーは、この概念を以下のように語っている(要約)。

生物学以外の分野についても、この進化論の考えは当てはまるのではないか。人間社会の制度や組織、生産、習慣における変化は、特定の誰かの指示でそうなったのではなく、自然発生的な勢いにもとづくものだ。つまり大局的に見れば、あらゆる人間の文化も、固有のゴールや目的に向かってまっすぐ進んできたのではなく、主に試行錯誤を経て進んできたといえる。

そうした特徴は、まさに進化のもつ特徴そのものである。私たちは、誰かの行いによって社会が変化してきたと教えられ育ってきたが、実際には道徳からテクノロジー、金銭から宗教にいたるまで、すべてのものが「創造」されるのではなく「進化」することによって変わってきているのである。

ダーウィンの進化論は、生物学に限定されているという意味で、さしずめ「特殊進化理論」ということができるだろう。特殊相対性理論を拡張して一般相対性理論を生み出したアインシュタインに倣い、この理論を「一般進化理論」と名づけることにしたい。

進化は万能である | 本の要約サイト flier(フライヤー)

科学技術、政治、宗教、インターネットなどでに当てはめると、以下の進化の原則が浮かび上がる。

  1. 「進化」の前提である「変化」を一定の「群」の中で伝達、共有できる仕組みがある。
  2. 科学技術、政治、宗教、インターネットなど科学者・哲学者、政治思想家、神、デザイナー・アーキテクトなど「誰か」が一定の方向にロードマップを示す存在*1を仮定しがちだがそれは間違い。進化の方向を定めた特定の人物、存在はない。
  3. 大きな「進化」の変化がある前には、その「進化」が可能となる知見、技術、潜在的要素が必ず「群」の中で準備されている。

大概の場合、私達の視点は1.の「群」の中にある。なかなかその「外」から見ることができない。進化とは、実は「暗黙知」にその根がある。本書を読んでいてそう思わざるを得なかった。これに関連してフリーライダーや、言語変化の問題も論じたくなるが本題から外れるので論じない。

hpo.hatenablog.com

2.の「超越的存在」の仮定はあまりに広く、姿を隠している。マット・リドレーは科学者の信念と呼べるような「真理」といったものの存在すら否定している。ニュートンを引くまでもなく、中世、近代の科学においては「神の栄光」を明らかにするために科学的知見は存在した。この「誰か」の存在の仮定はあまりに深く、隠されている。

3.は、「暗黙知」の問題と合わせて、アインシュタインのような断絶を乗り越えたと思われるような科学的進化、偉大な政治家が果たした政治体制の進化など、「神」や「真理」でなくとも特定の人物の存在と「進化」を私達は結びつけがちだ。しかし、ダーウィンの進化論自体がウォレスが同様の考えを発表しようとして、ダーウィンが出版したことに象徴されるように、社会的な知見、行動としてその「群」の中に十分に内在している。

こうしたことを考えると、人間は「妄想」によって日々の生活、政治的行動をしているのだという結論に達する。ユバリの考え方だ。

hpo.hatenablog.com

まあ、まずは読了してから論じたい。

*1:マット・リドレーは、これは「上からひっぱるもの」という意味で「スカフック」と呼んでいる。

保守が反保守に変わる時

思えば、1年以上前に私の知らない菅野という人物が、森友学園において籠池家を籠絡した顛末が話題になっていた。

dot.asahi.com

この前後で、記者会見において籠池氏の長男とコンタクトを図った顛末も明らかにされていた。安倍首相を心から応援し「保守」であったはずの人物が真にアンチにまわった瞬間であった。大変、違和感があった。その後の国会での証人喚問、空転は語るべき価値すらない。しかし、その瞬間については菅野完氏側からしか語られなかった。今回、その瞬間の当事者であった籠池佳茂氏が対談記事を発表するに至った経緯は興味深い。

netgeek.biz

当然菅野完氏側は否定するだろうが、民社党などを始めとする「反保守」野党側が徹底して籠池氏を応援していた事実関係は明確だろう。もはや、民社党、あとは名前も思い出せない野党は政治的理想も、思想も、国民の利害もなく、ただアンチであるというだけの存在であることがこれからの事象から明確なのではないだろうか?なぜ自滅の道を歩むのか私には全くわからないが、国民の利害と自由を大切にする政治家に票を投じたいと改めて思った。

Game of Thrones Season 6

見るペースが上がってきている。Season 6はいままのシリーズの中も最もダーク・ファンタジーの要素が詰まっている。生と死、ドラゴン、魔法、宗教、特殊な力などなど、数えきれないほどの怪異と驚異を体験した。

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https://www.amazon.co.jp/dp/B01LVYSTPT/

*1

ネタバレしても良い方は下記のファンダムを。

ja.gameofthrones.wikia.com

私のお気に入りはアリアだ。物語の中核をなすスターク家の兄弟達の中で一番自力で自分を助け、育てている。その姿勢に常にエールを送りたくなる。そのほか、たぶん最終シーズンまで生き残るのは誰かがだいぶ明確になってきたように思う。すでに発行されている原作を超えて物語が展開していることは別な意味で驚異としかいいようがない。AmazonプライムではSeason 7は有料だが躊躇なく見始める。

*1:それにしても、Amazonの徹底した書画の取りにくさはブログを書くものとしてやっかいだ。著作権保護がそれだけ徹底しているという意味では感嘆するしかない。しばらく前までプライムの動画を一時停止して、画像取り込みができたのだがいまは一時停止した途端に別の画像に切り替わる。Amazonの進化は止まっていないという意味ではさすがとしか言いようがない。

ヨーロッパとは何か?

Game of Thronesを見ればみるほど、どのような文化と言語がこの物語を生み出したのか、背景を考えたくなる。

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この物語は明らかに現代の地球の過去でも未来でもない。異星に移民した英米人の末裔というSF的な想定も可能かもしれないが、あまり意味を持たない。明らかに英語を使いながら、ヨーロッパの歴史的背景から隔絶した文明を想定できずにいる。大概のファンタジーは、私達が生きる現代文明との前後関係があるか、世界のそここにある神話世界が元になっている。ある意味で隔絶しているのは、「指輪物語」の中つ国(Middle Earth、 Endor)だがこれは言語体型から著者トールキンが創造しており、ひとつの世界として完結している。言語は文化であり、歴史の結実なので、ヨーロッパとイギリスの文化、地理、歴史から中途半端に隔絶した世界観にどうしても違和感を感じ続けている。

www.youtube.com

逆に問えば「ヨーロッパとは何か?」となる。私の中では、カエサルとその末裔に寄って統治された西域とその歴史的展開がヨーロッパとなる。初めて多くの文化が併存しながら、言語、宗教、歴史、文化を超えて一人の統治者によって統合された「自由」の伝統を持つ国と人々なのだと思えてならない。

帝政を確立したアウグストゥスに先立つカエサルが、自分の政敵にもローマのコモンセンス、伝統である寛容さを示した上で、あえて護衛もつけずに元老院に登院し、結果として暗殺を受け入れたことは、歴代のローマ皇帝の新たなコモンセンスを生んだのではないだろうか。

そっかいまここで書くべきなんだな 〜保守主義、自由主義とは伝統の尊重、父祖への感謝〜 - HPO機密日誌

カエサルではあまりに古いということであれば、カール大帝だろうか。一応、ヨーロッパの王家の血筋にはカール大帝の血が残っているはず。

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ちょっとGame of Thronesから始めるには大きすぎるテーマだった。機会があれば、まだ本がちゃんと読めるうちに「ローマ人の物語」を読み直してみたいし、ヨーロッパの歴史文化も学んでみたいものだ。

菩提心

護摩に参加して、初めて「菩提」ということが腑に落ちた気がした。

これまで多くの方の教えをいただいていたにもかかわらず、「菩提心」とはなにかどこかで腑に落ちていなかった。

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菩提心(ぼだいしん、梵: bodhi-citta)とは、さとりを求める心のこと[2][9]。阿耨多羅三藐三菩提心の略であり[2][10]、菩薩においては四弘誓願(しぐせいがん)にあたる[10]。

菩提 - Wikipedia

そもそも、般若心経に「菩提薩埵」とある。「ボーディ」とちゃんと自分で唱えているのに何もわかっていない。

菩薩(ぼさつ)とは、梵名ボーディ・サットヴァ(梵: बोधिसत्त्व, bodhisattva, 巴: bodhisatta) の音写であり[1][注釈 1]、仏教において一般的には菩提(bodhi, 悟り)を求める衆生(薩埵, sattva)を意味する[1]。菩提薩埵とも音写される。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8F%A9%E8%96%A9

よくよく精進を重ねたい。